こんばんは、ハッピです!
「世にも奇妙な物語’18秋の特別編」が今季も放送されますね☆
川栄李奈さんと本郷奏多さん主演の「クリスマスの怪物」は、 世にも奇妙な物語らしいめちゃくちゃ怖い作品みたいです。
そんな「クリスマスの怪物」は、原作小説があります。
これは、どんな小説か興味がありますね!
ということで今回は、「 クリスマスの怪物」の原作小説「薄氷(うすらい)の日」について書いていきたいと思います!
クリスマスの怪物
世にも奇妙な物語’18秋の特別編
放送日:2018年11月10日(土)
放送時間:21:00~23:10
放送局:フジテレビ
ストーリーテラー:タモリ
- 幽霊社員(主演:佐野史郎・勝地涼)
- あしたのあたし(主演:国仲涼子)
- マスマティックな夕暮れ(主演:玉城ティナ)
- 脱出不可(主演:坂口健太郎)
- クリスマスの怪物(主演:川栄李奈)
キャスト
小野寺奈央(川栄李奈さん):24歳のジュエリーショップ店員。
緒方良輔(本郷奏多さん):奈央の恋人。IT企業社長。
あらすじ
小野寺奈央は24歳。
ジュエリーショップの店員をしている。
恋人のIT企業社長・緒方良輔は温厚で優しい。
クリスマスイブに奈央のためにホテルディナーを予約する素敵なジェントルマンだ。
奈央は、良輔からのプロポーズを期待している。
クリスマスが来るのをウキウキ気分で待つ奈央だが、1つ気がかりなことが。
それは、7年前のある事件を境に、毎年クリスマスになると必ず現れる怪物のこと。
ボロボロのコートを羽織り、背中が大きく曲がっている醜い姿の怪物は、かなり不気味だ。
クリスマスイブ当日。ディナーを終えた奈央の目の前にその“怪物”が現れて…。
原作小説「薄氷の日」
「薄氷(うすらい)の日」は、 朱川湊人(しゅかわ みなと)さんの「水銀虫」という短編集に収録されている一作品です。
「水銀虫」には、「薄氷の日」の他に「枯葉の日」「はだれの日」「虎落(もがり)の日」「しぐれの日」「微熱の日」「病猫の日」など 人間の悪意が齎す悪夢のような一日を描いた7本の短編が収録されています。
グーグルブックスによると、「水銀虫」のジャンルは、ファンタジーフィクションということですが、ホラーに近いめちゃくちゃ怖い作品です。
「薄氷の日(水銀虫)」作者の朱川湊人さんは、2002年に「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞されデビュー。
2003年に「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞を受賞されています。
そして2005年「花まんま」で 直木賞を受賞されました。
直木賞を受賞した「花まんま」は、ホラーではなく、切なさノスタルジックさを感じられるファンタジー小説です。
アマゾンでは☆4.3、めちゃくちゃ良い作品というレビューが付いています。
ファンの間では、ホラーを書く朱川さんは黒朱川、感動作を書く朱川さんは白朱川と呼ばれているようです。
「薄氷の日」ネタバレ
ネタバレがあります。
本を読むのを楽しみにされている方はご注意ください。
■主な登場人物
- 奈央:24歳。
- 緒方良輔:奈央の恋人。IT企業の社長。30歳。
- 三塚秀美:奈央の中学時代の同級生
- 美晴:奈央の中学時代の同級生
今日はクリスマスイブ。
奈央は幸せを感じていた。
1年のうちで誰もが幸せを感じる1日。
だが奈央は、自分ほど幸せな人間はいないと感じていた。
奈央はこの日、素晴らしい人生へのパスポートを手に入れるはずなのだ。
恋人の良輔は昼間の電話で、「今夜はきっと、忘れられない夜になるね。」と言っていた。
この言葉で奈央は、プロポーズされることを確信した。
良輔はIT会社を経営している。
地方都市の名士である奈央の父親のチェーン店すべてをまとめても比べられないほどの財産を、30歳の良輔はすでに築いている。
その割には、良輔は純朴だ。
もとは単なる理系のコンピュータオタク、ゲームオタクなのだ。
良輔との出会いは合コンだった。
良輔は特別な目で見られるのが嫌だったらしく、身元を隠して参加していた。
パッとしない容姿の良輔は、合コンでは人気が無かったが、なぜか奈央は良輔とばかり喋っていた。
他の男もパッとしなかったらから、というのと、隣の席になった良輔が奈央にばかり話しかけてきたからだ。
良輔と連絡先を交換したのは奈央だけだった。
何度かのデートの後、奈央は良輔から交際を申し込まれた。
良輔の素性が明らかになった時、一緒に合コンに参加していた友人たちは悔しがった。
奈央は苦労せずに、玉の輿への切符を手に入れた。
奈央は自分を勝ち組だと思っている。
容姿に恵まれているだけで、幸福の半分が約束されている。
それになぜか、自分は運命に愛されている。
すれ違う男たちは皆、私を見ている。
今日は良輔が銀座のレストランを予約してくれている。
いつ彼はプロポーズしてくれるのだろうか…と奈央の胸は期待で膨らむ。
そこに、後ろから甲高い声が聞こえた。
奈央は一瞬ひやりとした。
クリスマスイブに毎年現れる「クリスマスの怪物」の存在を思い出したのだ。
・・・・
「クリスマスの怪物」とは、中学の同級生、三塚秀美のことである。
怪物は、9年前の高校生の頃から、年に1度のクリスマスイブに必ず現れる。
秀美は中学3年生の時に、マンションの5階から飛び降りた。
命は助かったものの、脳に深刻なダメージを受け、小さな子供以下の知能しかない。
秀美とは中学1年生の頃から同じクラスだった。
秀美は地味で陰気な雰囲気だったが、奈央は何とも思っていなかった。
中学2年生でも奈央は秀美と同じクラスになった。
その頃仲良くしていた美晴が、なぜか秀美をウザがり、秀美へのいじめが始まった。
秀美へのイジメを奈央は「確かに度を越した部分もあったかもしれない」と振り返る。
- 近くの河原で、吐くまで秀美の腹を蹴り続けた。
- 学校のトイレの便器に顔を押し付け、たまっていた水を飲ませた。
- 無理やり下着を脱がせ、下半身の写真を撮った。
- 激しいリンチをした。
奈央が1番面白かったと思うのは、クリスマスイブの出来事である。
奈央と美晴は、駅前で秀美に「お遊戯」をさせた。
大きな声で「森のくまさん」を歌わせ、下品な振り付けをつけて、躍らせた。
奈央を美晴は物陰から眺めているだけで絶対に近くには寄らなかった。
人から声を掛けられると、秀美は、奈央と美晴の指示通り「私はバカでぇす!」と大声で叫んだ。
秀美がマンションから飛び降りたのは中学3年生の秋のことだ。
脳挫傷で数日の間、意識が戻らなかった。
秀美が遺書のようなものを残さなかったのは、奈央にとって好都合だった。
クラスの何人かが、奈央と美晴によるイジメを教師に証言したが、奈央が「私、そんなこと絶対にしてません!」と泣きながら訴えたため、教師たちは深く追求してこなかった。
奈央の父親は地方市議の後援会長も務めている地元の名士だったので、教師も面倒を起こしたくなかったのだろう。
世の中は、しらばっくれてしまえば、どうにでもなる。認めさえしなければ、なかったも同然だ。
そんなことを奈央は学んだ。
秀美はもともと読書が好きな聡明な少女だったが、知能が幼稚園並みになってしまった。
足も複雑骨折したために杖なしでは歩けなくなり、自宅で介護を受ける日々となった。
そんな中でも中学の卒業式には両親に連れられ出席したのだが、秀美は式の最中に突然、「あるぅ日、森の中ぁ、くまさんにぃ、であぁった」と歌いだし、「私はバカでぇす!私はバカでぇす!」と叫んだ。
秀美は奈央をジッと見ながら一連の動作を行っていた。
高校1年生のクリスマスイブ、奈央が友達と商店街を歩いていると、杖をついた秀美が1人で歩いていた。
「あるぅ日、森の中ぁ、くまさんにぃ、であぁった」と高らかに歌いながら…。
「私はバカでぇす!私はバカでぇす!」と叫ぶ秀美を、周囲の人たちは半ば面白そうに、半ば気の毒そうに見ていた。
それを皮切りに、秀美は毎年クリスマスイブになると奈央の前に姿を現した。
いつでも秀美は「森のくまさん」を歌い、「私はバカでぇす!私はバカでぇす!」と叫んでいた。
・・・・
良輔は少し遅れてレストランにやって来た。
「そういえば、来る途中で変わった人を見たよ。」
良輔が言った。
杖をつき、大声で「森のくまさん」を歌う女だったようだ。
「ねぇ、良輔さん。」
奈央は思い切って聞いてみた。
良輔のような頭のいい人間がどう考えるか知りたかったからだ。
自分と「森のくまさん」を歌う女の話だと悟られないように、友達の話だということにし、注意深く脚色して、奈央は良輔にこれまでの10年間のことを説明した。
「難しいなぁ」と腕を組む良輔。
「クリスマスってことを考えると、神様が片方の人に謝るチャンスをあげているんじゃないかな」
「奈央は神様って信じないかい?」
「因果応報って言葉があるだろう?僕はひどいことをした人間は、必ず罰を受けると思うんだよ。」
「でも、神様だって無慈悲じゃない。悪人にも過ちを認め悔い改めるチャンスをくれるんだ。だから今、奈央が言っていた友達にも、神様が謝るチャンスを与えているんだよ。」
(…バカバカしい。)
自分のように運命に愛されている人間は、どんなに人を傷つけようが、最後には良い思いをするのだ。
「良輔さんって、意外にロマンチストなのね。」
奈央は自分が1番可愛く見える角度で良輔を見つめた。
レストランの外に出て銀座の街を歩いていると、「森のくまさん」を歌う声が聞こえた。
「怖いわ、行きましょう」
奈央は良輔の腕を引っ張った。
(誰が謝ったりするものですか。)
下手な歌を歌っている秀美の姿を見ていると、逆に腹立たしい気持ちになってくる。
「どうしたの、行きましょうよ。」
良輔がいつまでも歩きださない。
「奈央はそれでいいんだね。」
良輔は怖い顔をしていた。
「君は愚かだよ…。あそこまで言ってあげたのに、チャンスをむざむざ捨てるなんて」
「彼女が誰か見てきてごらん」
奈央は嫌だったが、良輔の強い口調に逆らえなかった。
その女は秀美ではなかった。
女は…美晴だ。
美晴は高校卒業後、地元の銀行に勤め、そこで知り合った先輩を結婚したと聞いているが。
「この子もね、せっかくのチャンスをムダにしてしまったんだよ。君と同じように、何度もチャンスをあげたのに。」
やがてシルバーグレーのベンツが奈央の横に止まった。
良輔に優しく押されて、奈央はシートに腰を降ろした。
運転席では、白いスーツを着た若い男がハンドルを握っていた。
どことなく鹿を思わせる顔つきをしている。
奈央の隣に座った良輔は話し続ける。
「今日はすべての人が、神の御心に触れる日さ。君にはあとで素敵なプレゼントがあるよ。」
奈央は降ろしてほしいと懇願するが、車は止まらない。
ここが銀座なのか、それとも違う世界なのか、奈央には分からない。
「チャンスは何度もあったのに…」
良輔は気の毒そうな口調で呟いた。
「薄氷の日(水銀虫)」は無料で読める?
「クリスマスの怪物」をご覧になった方で、ホラー好きな方は、原作「薄氷の日」を読みたいと思われますよね。
しかし 「薄氷の日(水銀虫)」を無料で読めるサイトはありませんでしたm(__)m
ですが、朱川湊人さんの他の作品は、U-NEXTで配信されています。
※本ページの情報は2018年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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